人体600万年史 <上>
-サルからヒトへの進化の過程と、我々の特性とは-
類人猿と現生人類、つまりサルとヒトの間の600万年を上下2巻、
全550ページにまとめた内容。人類の歴史を身体的進化から、
文化的進化の影響までを論じている。
唯一生き残ったホモ種
チンパンジーと人類がゴリラと袂を分かったのが約900万年前で、
5~800万年前に人類とチンパンジーの系統が分岐した。
そこから類人猿のアウストラロピテクスの系統から、ヒト属に分類
されるさまざまなホモ種が世界各地に散らばり、適応能力に優れた
ホモ・サピエンスが20万年前に生まれ、他ホモ種が消えていった。
かのネアンデルタール人は、ごく近いいとこだが祖先ではない。
なぜ生き残ったのか?
厳しい気候変化、環境への適応に対処すべく獲得したものがある。
より多くのエネルギーを備蓄できること、すなわち大量の脂肪を
身体に備える能力こそ、現生人類に特別にもたらされた特性である。
急激な文化的進化
そして石器時代が約1万年前に終わり、各地で農業が始まる。
食料貯蔵と集団生活を経て人口を増やし、やがて産業革命が興る。
上巻はこのあたりまで。
下巻では文化的進化と裕福病の話、現生人類の未来を説く。
(2015.10.28)